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「沈まぬ太陽」読書感想

前々から読みたいなと思っていた「沈まぬ太陽」、先日やっと読み終わりましたのでその感想などネタバレにならない程度に書き記したいと思います。

この本を手にする前に作品名や紹介文を見て、主人公が不当人事により潰されそうになりながらも会社内の不正や悪に立ち向かい、時には潰されそうになりつつも不屈の精神で耐え抜き、ついには会社内でそれなりの地位に上りつめるような「勧善懲悪」な要素を併せ持つ、事実を基に脚色を加えたフィクション作品なのかなと勝手に想像して読み始めたのですが、私が思っていたのとは全然違って、実際に御巣鷹山墜落事故に直面し人生をかけて対応にあたった一人のサラリーマンの人生を書き綴った作品でした。

1巻アフリカ編(上)、2巻アフリカ編(下)では奇なる命運から意図せず組合の委員長に選出された事から運命の歯車が狂い始め、主人公自身の責任感の強さと相まって遂には会社にとって非常に煙たい存在となり僻地とも言える場所への転勤を余儀なくされてしまう。

3巻御巣鷹山編ではサポートしてくれる仲間達の助けもあり本社へ帰任した主人公ですが、そんな折度重なる自社便の墜落事故果ては御巣鷹山墜落事故により主人公は御遺族対応係りに任命され、献身的に遺族の対応に当たる主人公であった。
然し余りにも親身になって遺族に肩入れする姿勢から又しても会社から疎ましく思われてしまう主人公であった。
本来であればそんな主人公に対し好感を抱くのが普通の読者なんでしょうけど、正直私は「なんて融通の利かない自分勝手な社員なんだろう」と感じました、ハッキリ言えばある種嫌悪感さえ感じ、この辺から読み進めるのが辛くなってきました。
又、御巣鷹山犠牲者の描写が生々しく、遺族の心情などを想うと涙が止まらなかった。

4巻、5巻の会長室編では、連続墜落事故を起こしている航空会社に対し首相の肝入りで異業種異業界の人材を会長に迎え入れ、その会長から会長室勤務を拝命した主人公であるが、ここでも利権にまみれた組合、組合OB、果は経営陣からの反発に遭い、「御巣鷹山犠牲者遺族への賠償」、「安全運行に向けた業務内容の改善」、「経営状況の抜本的な改善」、「乱立した組合の統合」など山積した問題への対応は遅々として進まない。

最後の結末は書きませんが、当初事実を基にしたフィクション作品だと思って読んでいたため中々出て来ない主人公の活躍や胸のすくエピソードの無さに読むのが本当に辛かったですが、最後の1ページまで読み、著者の後書きを読んで初めてこれは事実そのものであり、ただの創作ではないと気付かされました。最後まで読んで良かったと思う作品でした。

 

沈まぬ太陽(一~五) 合本版

沈まぬ太陽(一~五) 合本版

  • 山崎豊子
  • 小説/文学
  • ¥3,600